さすらい刑事旅情編X


話数 サブタイトル 思い入れ文
SL貴婦人号で待つ女・白狐面の殺意 さすらいボーイ さん
山口線・小郡〜津和野を走るC57−1、通称貴婦人号が舞台となった今回は、事件は東京、貴婦人号では男女の約束の場所として展開された。夫の愛人を殺害した姉とそれをかばう弟との兄弟愛、その弟が津和野で出合った女性との恋愛とが複雑に絡み合うというストーリーであるが、山間の静かな町が醸し出す陰うつな雰囲気と、旅先の恋を演出する山陰の小京都の二面性をロケ地に設定したのは実に素晴らしい。それから貴婦人役・北原佐和子のキャスティングにも喝采。ちょっとひねくれたようなキャラがいい。
石井隆広 さん
「歪んだ愛と純粋な愛」がテーマだろうか。山口県を代表する列車C57機関車を題材にした旅情物語を展開するあたりはさすが「さすらい刑事」、この刑事ドラマの最大の魅力を感じるのは旅や鉄道を通じて人々が感じる出会い、別離を心暖かに描いていることでこの話もSLの展望台で女カメラマンの早川桐子と松岡との出会いを描くシーンがなかなかだ。人は見かけやルックスでなく真心が大切なのだということをおしえてくれる作品だ。

5642 さん
「貴婦人」と呼ばれた女性・真結の派手な男性関係。それが自らの死を招き、犯人である人間の人生をめちゃくちゃにした、という話でした。松岡という男性をめぐって、「他人(松岡の義兄)と関係を持ちながら、好きな彼を待つ」真結と、「ただ、好きな彼のことを純粋に待つ」桐子という2人の女性。彼としては、純粋な桐子の方を選んだのは当然かなと思ってしまいました。でも、途中までは見ていると、「桐子が犯人では?」と思ってしまいました。
東北新幹線・昏睡強盗の女 石井隆広 さん
本当の友情って何だろう?そんな問いかけを物語り全体で投げかけている。田舎出身の女子大生が東京のファッションや流行ものについていこうと必死になる姿も 理解できないわけではない。しかし取調室で桜田が俺の先輩も二歩も三歩も進んでいて焦ったよ、でも社会で必死になって頑張ればそんなの関係ないよと訴える桜田 節が渋くて印象的だった。ラストにあなたと本当の友情を結びたいのと抱き合うシーンは涙を誘われる。那須で本当の友情を取り戻して良かった。

5642 さん
昏睡強盗の容疑がかけられた女子大生の周辺などを捜査していくうちに、地方から上京して、暮らす努力をする女性の姿が浮かび上がるという話でした。「できた友達にあわせるように、ファッションや流行ものをついていこうとした」女子大生・智子が得たもの。それは「自己満足」に過ぎず、周囲も離れていくだけだった(それで、事件に巻き込まれたわけだが)。それに対して、桜田刑事が「変に東京ぶっても、しょうがない」と言ったこと。外見を気にするあまりに、内面がだめになってもいけない。そればかりか、自分らしさがなくなってしまうという経験からでしょうね。結局、事件に巻き込まれたことは災難だが、これをきっかけとして、智子は「本当の友達とは?」ということを学んだ分は、これからの人生をやり直す糧になるのではと思いました。
走る密室・寝台特急出雲から消えた花嫁 石井隆広 さん
ハネムーン列車の異名を持つ出雲1号を舞台にした鉄道トリック、刑事たちの推理が冴える。両親を殺され妹の足を負傷させた花嫁に花婿が復讐していくという話でとても辛くやりきれない思いだった。復讐なんてしても無意味なことだとわかっていても愛する家族を殺され、最愛の妹が怪我させられたら・・・と考えたら犯人の広瀬が辛く切なく感じる。兄貴が妹に「ごめんな、兄ちゃんまたお前に負い目作らせて」と寂しく語るシーンは私も涙が止まなかった。

高岡健太郎 さん
私もこの作品はシリーズ通して傑作の部類に入ると思います。ややアリバイトリックに稚拙さがあるものの、話の展開といい、カメラアングルといい、下手な映画を凌ぐ完成度です。香取が犯人の心理・状況を自分に置き換えて推理するのも設定を良く活かしてます。ラストシーンの犯人が絞り出すような妹への懺悔の言葉は本当に涙を誘います。愛するがゆえに不幸にしてしまう現実が切なく、悲しいエピソードです。

5642 さん
被害者・礼子の気まぐれな過去の行動(自殺騒ぎ)が、関係のない人間たちの命と将来を奪ってしまった。その場にいなかった犯人のやるせない思いが、復讐へと駆り立ててしまったんでしょうね。でも、結果として残ったのは、妹をまた苦しめてしまっただけだった。でも、犯人にとって、やり場のない怒りを抑えるには復讐ではなく、「被害者の謝罪する姿勢」が欲しかったのではないでしょうか。それが少しでも礼子にあればと思うと、悲しい気がしますね。
4 特急さざなみ4号・セクハラに勝った女 5642 さん
ある女性の頑張る姿が、かえって周囲の反感を買ってしまい、事件に巻き込まれたという話でした。その女性・大塚勝子は、今までいろんな試練を乗り切ってきたかもしれない。しかし、「皆が(彼女みたいな)強い人間ではない」と香取刑事が言うとおりで、結局彼女は、自分を基準に他人を考えてしまったことで、他人を不幸にしてしまったのかもしれない。でも、今回の事件は、勝子だけでなく、関係者が周りのことを考えていなかったことが、事態を大きくしたのかもしれませんね。
南九州終着駅で降りた女・三行広告の罠 石井隆広 さん
エンディングで香取が玲子に「お父さんはあなたを信じ、萩原さんの無実を信じていた、その気持ちが分かるなら故郷の志布志で始めからやり直すべきじゃないですか、志布志は終着駅ではなく始発駅なんですから、」と語る香取節がとても渋くて格好よかった。

5642 さん
窃盗犯を現行犯逮捕したことから関わることになった、横領事件の捜査。同棲している女性・玲子と籍を入れるために、地道に借金を返そうと仕事を頑張っていた男性・萩原。彼の将来を奪い、名誉を傷つけた真犯人に、怒りをぶつけた香取刑事。自分勝手な犯人に、横領罪以上の許せない気持ちが出たのではないでしょうか。
6 疑惑の婚約者・血痕のついた札束 5642 さん
事件捜査の過程で、妹・恵里の彼氏である辻浦《池田政典さん》を疑った香取刑事。刑事なので、私情を捨てて捜査するのは当然なのですが、それを強調しすぎたために、辻浦に対する配慮を欠いてしまった。香取の、恵里に対する申し訳ない気持ちが、ラストで表れていたと思います。でも、「刑事の妹」であるから仕方ないとは分かっていても、「刑事の妹」でなければこんな現実を見なくて済んだと思う複雑な感情を、兄にしかぶつけられないという、もどかしさが恵里をさらに苦しめていたように思います。
特急富士B寝台・女カメラマンの謎の死 石井隆広 さん
変死した女カメラマンの鉄道の駅を写したフィルムが最後まで事件の鍵を握るこの話も「さすらい刑事」ならではの旅情とトリックの構成がしっかりしていて良かった。サスペンス性の高いストーリーであった。殺された女カメラマンの弟中岡勇が久田を殺そうと計画して最後香取に追いかけられ、自殺しようとするシーンで香取がハッパをかける。「命を粗末にするんじゃない」!この 一言にすごく重みを感じた。  家族を失う辛さ、悲しさがうかがえる。

5642 さん
女性カメラマン・中岡弘美が自らの死をもって遂げようとした、男・久田への復讐。それは、結果的に残された遺族を不幸にしてしまったに過ぎない。特に、弟にとっては「(死んだ弘美の保険金による)お金よりも、姉の存在」が大事だったんだと思います。その気持ちを理解していれば、こんなことをしなくても済んだのではと思います。その事情を知って、同情はするも、厳しい姿勢で臨んだ香取と桜田。「(叔母の願いで)事件の真実を曲げたら、残された遺族のためにならない」と思ったからではないでしょうか。
8 大船行き終電車の男・同じ風景の油絵 5642 さん
変死体の身元をめぐって、ある親子の再会に結びつく内容でした。身元不明の遺体を「父ではないか」と名乗り出た娘・涼子。しかし、14年前から行方不明の父の顔もはっきり分からず、さらに、過去の強盗傷害事件の犯人の可能性が出てきた事で、不安になってきたんでしょうね。それで、山崎刑事がなんとか不安を取り除こうと捜査したが、実は、変死事件の加害者と判明した事実。娘のためには、事実を隠したかった気もするが、山崎が下した決断。亡くなった息子との約束を果たせなかった山崎だからこそ、どんな形であれ、生きている親子だから再会させることで、涼子の約束を守りたかったんでしょうね。
9 バッグを取り違えた女・みちのく殺人行 5642 さん
バッグを取り違えたために、人が死んでしまうという事件。取り違えた当事者の女性・吉井としては、そのために婚約者・村田が死んでしまったので、責任を強く感じるのは当然かなと思います。しかし、その事が彼女を今後苦しめてもいけないと、香取刑事らが配慮するシーンが印象的でした。でも、死んだ村田からの贈り物と手紙。それが、香取や高杉警部の言葉よりも、彼女にとって救いになったのではないでしょうか。
10 恋人を襲った女?山手線の殺意 5642 さん
2人の若い男女に親切心で注意したつもりが、男女にとっては「出しゃばった行為」と取られてしまう悲しさ。それが今回の事件につながるんですが、怪我をした被害者・村上にとって、加害者・今井の将来を思って、告訴をしなかったり、就職先を世話したりと、親切でやった行動だった。しかし、今井にとって、「出しゃばった行為」に過ぎなかった。それどころか、悪態(村上にとっては、気にしていること)をつかれてしまい、村上の犯行に至ってしまった。もう少し、今井が理解してくれていれば、このような悲劇は起きなかったかもしれませんね。今井と村上の出会いのきっかけを作った形となってしまった高杉警部としては、つらかったのではないでしようか。
11 拾った拳銃・金色のアンクレットの女 5642 さん
香取刑事の親友・大野刑事が、事件(犯人次第)で人生を賭けていると言った意味。前科四犯の過去がある、彼女・森田と結婚するために、事件への疑いを晴らしたいという気持ちがあったんでしょうね。しかし、大野が不器用な性格だったために、彼への不信感が、彼女の心の中に募るだけだった。それと、前科四犯といっても、事件に巻き込まれただけで「犯人扱い」されるという、警察への不信感が彼女にあった。そんな気持ちのすれ違いも、事件を複雑にしてしまった感じがします。香取としては、捜査中に殉職した大野の遺志を受け継いで、孤立してでも彼女を信じ、「シロ」「クロ」をはっきりさせて、事件のけじめをつけたかった気がします。
12 覗かれた剣道着の女・湯煙り会津若松 5642 さん
まじめな性格の梢と自由奔放な性格の朱美という、2人の女子高生。梢は、朱美を助けたいと思う部分と、彼女の生き方に憧れている部分の両方あったのではないでしょうか。それで、軽い気持ちで、朱美がやっていた「モデルとしての写真撮影」に臨んでしまった。それが事件を引き起こすきっかけになってしまった。捜査を担当した風見刑事としては、自分の過去(好奇心で行動したが、補導されてしまった)と重ねていたんでしょうね。だから、梢を責めずより、「いつか、このことは将来の良い糧になる」というような慰めを言ったのではないでしょうか。
13 山形新幹線・殺意の名将戦振り飛車の女 5642 さん
2つの変死事件の鍵を握る、所持品の「将棋の飛車の駒」。そして、大原という女性。偶発的な事件だったのかもしれませんが、「飛車の駒」をはじめ、動機と思われるような事実が次々と出てくるにつれ、複雑にしてしまった。また、大原の存在が、香取らの捜査が最後まで、事実を引き出すことができなかった感じもします。
14 京都琵琶湖の女・茶道家元をめぐる罠 5642 さん
茶道の家元争いに絡んだ事件、犯人にとって家元を継ぎたいために渡ってしまった「危ない橋」。危険な目にあった志津子と言う女性が、犯人をかばったこと。それは、彼女がこの世界に入ったために、犯人をここまで追い込んでしまった責任からなんでしょうね。
15 湯煙り北陸路・同窓会ツアーで死んだ女 5642 さん
同窓会での、被害者の女性・悦子をめぐっての、3人の男のいざこざ。都会に出た2人は見栄を張り、田舎に残った男は一途な恋を貫こうとした。しかし、悦子は男たちに振り向かなかった。住む場所や見栄ではなく、彼女自身の心の問題だったのではないでしょうか。そうとは分からずに、一方的な思い込みで犯行に及んでしまった犯人。ラストの表情は、香取刑事に言われて「気付くのが遅かった」という彼の悔やむ姿ではなかったかと思います。この事件の犯人逮捕の突破口は、上京した桜田刑事の母・マサ代の目撃証言でした。桜田が母のことを心配したのは、すれ違いで上京したことではなく、母宛てに書いた手紙の内容と真実の違い(つまり、自分を良く書いていた)でした。しかし、香取が電話で「彼は頑張っている」と母に答えたことで、ほっとしたのではないでしょうか。
16 密告電話・墓地に立つ女 5642 さん
時効寸前の事件の犯人逮捕に執念を燃やす高杉警部。しかし、「犯人・榎本が余命わずか」と看護する田代から聞き、逮捕に何の意味があるのかと迷う高杉。蝕まれた自らの体を「罰」と受け取る榎本に、同情してしまったんでしょうね。しかし、逮捕することで、「法としての罰で、死を迎えさせる」。そのことが刑事としてやれる、榎本への「情け」だったのかもしれませんね。
17 疑惑!ストリッパーと密会した刑事 5642 さん
誤認逮捕による、刑事としての責任。一人の女性・祥子の人生を狂わせてしまっただけに、所轄署の刑事であった(自ら責任をとって庶務課に移った)杉田としては、何らかの償いをしたかったのでしょうね。しかし、償い方が間違っていた。でも、杉田とかつてコンビを組んだ香取刑事が、その行為に口を出すことはできなかった理由。自分がその立場になった場合、彼のようにしたのかもしれないという思いが、頭の中をよぎったかもしれませんね。
18 信州白馬雪山の殺意・不倫を目撃した女 5642 さん
事件を捜査していく中で出てくる、いろいろな男女関係。でも、お金や世間体ではなく、純粋な心だったのではないでしょうか。千夏《市川翔子さん》を巻き込んだ事件関係者には、それが欠けていたのかもしれませんね。逆に、純粋な心を持っていたのは千夏を助けたスキー仲間の男性だった。そういう男だからこそ、彼女は(当初、好きだった香取刑事よりも)好きになったのではないでしょうか。
19 秘密写真の罠・消えた女優志願の女 5642 さん
女優の夢が近づく友人をかばっていた小百合の行為。それに対して「どんな事情であろうが、犯罪をしたことには変わりない」という香取刑事らの厳しい姿勢。そんなことまでして、栄光をつかんでも、自身の救いにもならないし、さらに、かばうことで、小百合自身の将来にも良くないとも思ったのではないでしょうか。一方、事件を通して、間宮兄妹(小百合と、兄・耕太)の姿を見てきた香取としても、「妹・恵里に対する態度を改める」良いきっかけになったのではと思います。
20 仔猫と一緒に消えた少女・婚約者の嘘 5642 さん
家出少女の捜索。大人の都合(自分の再婚話に関して)で娘・泉の事を考えていて、結果的に娘を苦しめていたのではと思う父・聡。娘にとっては、真意は分からずも、ただ純粋に父のことを考えていた。そこに、ある男の「親切心」が、事態を悪化させてしまった。でも、結果的に、保護した少女の周囲を含めて、全く悪人がいなかったこと。それだけに、この話はほっとした印象を受けました。
21 関門海峡の女・移動した死体 5642 さん
8年前の傷害事件に対する、短絡的ではなかった動機と真実。担当した山崎刑事が「捜査の詰めの甘さ」と責任を感じていたこと。それだけに、被疑者だった沖田への思い入れがあったのでしょうね。香取刑事も、その点を厳しく批判するも、彼も「綺麗事だけでは、刑事は務まらないこと」を分かっていたんでしょうね。
23 仕組まれた犯罪証明・久留米絣の女 5642 さん
かつて、結婚を意識したことのある香取。それが6年前の事件(恋人の兄が事件で死に、犯人は香取が更生させようとした人物だった)をきっかけに、彼は独身を貫いていた。二度と相手の周囲を事件に巻き込みたくなかったのでしょうね。今回の事件で、6年ぶりに元恋人・多岐子と再会した香取。当初は、多岐子の父・孝太郎の無実を証明するつもりで訪ねた。しかし、「6年前の事件」が、今回の一連の事件を引き起こしてしまった。結局、どうにもできなかった自分。それが事件以上に、つらかったのではないでしょうか。



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